2018/06/11
期間工経験者が教える!「楽に早く」工程をこなす6つのコツ
蝶のように舞い、蜂のように刺す……ライン工とは毎日が試合。そして敗北は許されない……
敗けた時、それはラインが止まるとき……
どうも、平日昼間から妄想爆発の元スバル期間工のせいじです。
期間工としての生活を始めたフレッシュなボーイにありがちな悩み、それは
ラインの速さについていけない
これなんじゃないでしょうか?
わかる。わかるぞぉおおおお!!
かく言う僕も入りたての頃は「組み立てが遅い」を通り越し、ひざまずいてうなだれる程度にはついていけてなかった。
そして慣れてきたころに思う。
あの頃の私はでたらめだった……と。
今回はそんな内容を元に、組み立ての所要時間を縮める……ひいてはできるだけ翌日に余力を残せるような働き方を伝授するぞ!
だから五月病とかに負けんなよ!?
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期間工のライン作業はマラソン
まず承知しておいてほしいのはコレ。
「所要時間を縮める」というのは悪いことではないんだけど、必要以上に速くすることはない。
なぜなら、ラインというのは前後の工程の速度にも依存するので、自分だけぶっちぎりで早かったとしても何の意味もないの。言うなれば「マラソンで全速力でスタートして、途中で歩く」ってくらい愚かな行為。
だから、まずはそれを意識して仕事するのが大事。
変に「がんばろう!!」とか息巻いてもイイことないよ。その辺は肩の力抜いていこうぜ!
言い換えれば、今ついていけてない人も、これから慣れていけばそのスピードを維持するだけでいいし、無限にスピードアップを求められないのは精神衛生的にも良いよね。気楽ゥー!
体の使い方ひとつで驚くほど楽になる
さっきも言ったけど、入りたての僕は毎日が地獄でした。
「もう嫌や……ついていけん……」こんなことを工場のトイレや寮の部屋の隅っこで呟いていました。陰キャど真ん中ですね
しかーーし!!
僕のそんな働き方を一変させる師匠が工場にはいたんです。
仮にその人をHさんと呼ぼう。その人は年齢50を超えていながら体躯も160cm程、おまけにやせ形とお世辞にも期間工向きとは言えない身体条件。
でも仕事が速いんだこれが!!早いじゃなくて速い。
「疾風のごとき仕事ぶりとはこういうことを言うのか」と感動の涙すら流しそうになりましたよ。(泣いたとは言ってない)
その頃の僕は工程についていけずそのHさんにお世話してもらってたんですが、その人の動きを見ていると「踊るように組み立てる」って感じなんですね。
対して僕は「どっこいしょ」と一つ一つの動作が独立していて堅い。
僕とHさんの何が違うって、「体の一部で仕事しているか、全身で仕事してるか」なんですね。前者が僕で、後者がHさん
一見したところ、全身を使って仕事する方が無駄なカロリー消費してそうで疲労も溜まりそうな話なんですが、そこはさっき説明した「ライン作業はマラソン」ってことなんですね。
走るときも足だけを動かして上半身は動かさないとフォームが崩れて逆にバテるっしょ?そゆこと
体の一部だけがんばってしまっても負担が集中して結局機能しなくなるんですね。結果疲れちゃってラインについていけなくなる
そういう意味ではそのHさんがやってた「踊るように組み立てる」っていうのは全身に負担を分散させてるわけだから、かなり理にかなった組み立て方なんだと思いました。
あ、でも言っとくけどほんとに踊るなよ!?
あくまでそう見えただけでHさんもほんとに踊ってたわけじゃないからな!?
ほんとに踊っちゃったらただの変態だし余計疲れるだけだからな!?楽しそうではあるけど
そんなわけで僕はマラソンって究極の単純作業だと思ってます。路面状況や気候、気温で多少のブレはあっても「42.195kmをいかに自分を一定にコントロールさせて走り切るか」……簡単に思えてそれってかなり高度だと思うんですね。
それと同じでライン作業も「いかに自分に極端な負担を強いずに8時間組み立てきるか」という目標があります。まあマラソンの方が絶対きついけどな!
気分はダンサー期間工
8時間楽に働ききるためにまず必要な事……それは「自分のステップ位置を決めておくこと」
特に僕のようなボディー関連の仕事では重い部品を持ち運びしたりします。
その際でたらめに歩いてでたらめに部品セットなんぞしていたらものの2時間ほどで筋肉が悲鳴を上げます。キャーーーー!!
Hさんは自分の足の運びを完全に決めた状態で仕事していました。
気まぐれで走ったりもしないしゆっくりにもならない。そして動きは正確に……
彼が踊っているように見えたのはそのせいなんでしょう。なんというか、計算し尽くされたかのような動き
これは長く務めている先輩工員なら大体が「楽なやり方」として自然と身に着けてらっしゃるので是非参考にしましょう。特に入りたては先輩がフォローしていてくれてると思うので、その動きをしっかり見て記憶するように!
変な踏ん張り、変な力の入れ方は絶対にNG。そのうち物理的に体壊すで!
ほんま、ダンスレッスンみたいな指導やな……
下半身をうまく利用する
これは僕みたいに重量物を扱ってた人間の仕事なんですが、大体が「腕だけで持つ」って感じなんですね。単純作業じゃなけりゃそれでいいんですが、僕の場合は日に500台分とか担いでたクチなんで、如何せんそれじゃもちません。
そんな時に使うのが下半身、手はその部品に引っ掛けるだけで、腕はだらりと垂らし、体重+部品の重量を骨盤あたりにかけて持ち運ぶ。
これだけで腕の疲れは本当に楽になったよ!
足を含む下半身の筋肉は全体の70%ほどを占めているので当然上半身より大きな負荷に耐えられます。ライン作業ではこいつを積極的に使いましょう
特にボディー関連の工程はこの部分が大いに活躍します。
次のアクションを気にしておく
前項までは身体の使い方に言及しましたが、次は頭の使い方です。
ライン作業というのは決まった動きを反復するだけなので簡単です。なので今やっているアクションの次の動作を先に考えておきましょう。
「今この作業が終わったから次は……」とか言うようなやり方ではいつまでたってもシンキングタイム分タイムロスしてしまいます。ライン作業ってコンマ何秒を争う作業でもあるんで「ん~……」とか考えてる2,3秒がすごく大事だったりします。
0.5秒遅れてもそれが500台分となると生産台数が日に数台変わります。既知の通り車って高い商品なんでその数台が大きな利益の低下に繋がります。
そのためには前項でやった身体の負担を極限まで減らしておき、作業しながら考える余裕をなるべくいっぱい作っておきましょう。いわゆる「マルチタスクな思考」ってやつ
ここまでできるようになると今までついていけなかった過酷な工程が「簡単な単純作業」に変わります。
「あー、毎日単純な作業でツマンネ」とか思ってるそこのキミ!
それって今まで説明した身体の使い方と思考が自然とできてるってことなんだぞ!スゲェじゃん!!
入りたての俺は必死すぎてそんな余裕なかったぞ!!
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工程中の小さな動きを研究する
ここまで実行出来たら大体の人の「ライン速くてついていけない問題」は解決できると思う。
しかし中には「これでも追い付けん……なんでや……?」な人もいると思う。
そんな時はそれ以外の細かな作業に無駄な停止時間がないか振り返ってみよう。
例えば僕はボディーを金型にセットする工程があったんだけど、どうしても一発でセットがうまくいかなくて何度もセットし直してたことがあったんだ。
上手くセットできてないと、機械のセンサーが「お前がセットした部品、なんか金型から一部が浮いてるで」みたいな警告を出されるんだが、まずそのやり取りが無駄だよね。
毎回警告出されるって、もはやそれ警告じゃなくてただのリマインドになってる。
僕はそれを改善すべく、その工程を研究した。
その結果、部品を金型にはめる際、上からそのままガチャンと乗せるのではなく、若干斜めから滑らせてはめ込む方がしっかりとはまることに気付いた。
これは僕がいた工程の具体的な方法だけど、誰もがやっている工程でどこかしら他より異様に時間のかかる部分はあるはず。まずはそこの時間をどうにか削れないか、角度を変えて見直してみることをおすすめする。
仕事の早さって、単純に動きが速いだけででなくて、どう滞りなく工程を終えるかっていうのもあるから
ほんでそういう細かい工夫が0.2秒の短縮につながって、合計すると2秒3秒が縮まり、結果的に楽な仕事を実現させます。
自分に毎日のように地獄を見せるも、余裕のある時間を作るも自分次第。
今とてもラインの速度がキツイ人には少しでも参考にしてもらえたら良いなと思います!
エンド
著者プロフィール
せいじ
東京都在住:元スバル期間工(2008年)30代前半男性。(写真は期間工当時)
俳優を目指しながら『にちプチ 【Nichi-Petit】』というブログで日々思うことやプチお役立ち情報をわめいてる。読み手に勇気を与える文章が好きです。
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